セリオーソ

　朝、重たい身体を起こして顔を洗って朝食の準備をする。こんなに早く起きるのは本当に久しぶりだ。今日からまた朝がつらい生活が始まるのかと思うと少し気が重い。
　
　そう、今日から後期の授業が始まったのだ。大学生の夏休みは長い。実家に帰ってゆっくりするのも良し。アルバイトをしてお金を稼ぐもよし。気心の知れた友人とりょかうにでかけるも良し。しかし、これみよがしに堕落した生活―例えば起床時間は正午、例えば睡眠時間は半日分、例えば生活に必要なものを買いに行く以外に外に出ない、例えば就寝時間は深夜3時ごろ―を送っていれば、急に世間一般で言う真面目な生活に戻すのはなかなか難しい話なのだ。そういう私も堕落した生活を送ってい者の一人である（流石にアルバイトは多少してものほんのヒッキーにはなりえなかったが）。さらにいえば朝は苦手だ。今日はよく起きれたものだ。いつもならば母親のモーニングコールがかかっても受けた後にもう一度寝てしまうというのに、今日はモーニングコールよりも早く目が覚めた。準備は前日に済ませておいたので、とはいっても第一回目の講義は大体イントロダクションで教科書は必要ないが、学校に向かえばいいだけなのだ。

　せっかくの長期休暇後第一日目だというのに少し小降りで朝早いということもあってか肌寒い。それだけで私の学校へ行く気を削いでいくのだから、休みがどれだけ楽だったのかというのがよくわかる。
　1限目、感想は眠いの一言。・・・どうやらまだ脳がしっかりと覚醒しきってないようである。2限目は講義自体が入ってないので一度家に帰って昼食をとり、問題の3限目へと。何が問題かというと、英語しか話さない先生話せない私、これだけでわかっていただけるだろう。英語の羅列に眩暈と頭痛を感じてしまった。4限目はスペイン語である。英語の次にスペイン語、なのである。少しは生徒のことを考えないのかと教務課の者に問いただしたい。この私が長期休暇の間に勉強などしてるはずもなく、進歩のないことが浮き彫りになっただけであった。5限目にてやっと興味が持てるかもしれない講義に出会う。ただし、先生が出張で1ヶ月いないため次の講義は1ヶ月語である。・・・とんだ授業もあったもんだ。
　ひとまずは一日目終了だ。今期はどうなることやら、初めから絶望が見えかけていたぞ。絶望を希望溢れる生活に変えるもの、絶望に溺れさらに絶望の淵、深淵にたどり着くのもすべては自分次第。

　さあ、真面目にいこうではないか！

配布元10℃様　10 title　#17 音楽用語（喜楽）より『セリオーソ（真面目に）』